『殺人処方箋』刑事コロンボ第1作の動画配信情報と作品の見どころ・感想

刑事コロンボ

『殺人処方箋』(1968年)※刑事コロンボ第1作

主演:ピーター・フォーク/ジーン・バリー

推理ドラマの名作中の名作「刑事コロンボ」。記念すべき第1作「殺人処方箋」の動画を配信しているサービスの情報と、実際に視聴した感想や見どころをまとめています。コロンボが初登場するエピソードは興味深く、作品としての完成度も高いです。刑事コロンボを自宅で楽しみたいあなたはぜひチェックしてください。

このページではこんな疑問を解決します!
  • 刑事コロンボ第1作『殺人処方箋』の動画配信しているサービスはどれ?
  • 『殺人処方箋』のあらすじは?
  • 『殺人処方箋』のみどころは?
  • なぜ刑事コロンボって今も人気があるの?
  • コロンボに出演している俳優・声優の魅力とは?
目次

『殺人処方箋』刑事コロンボ第1作を配信しているネット動画サービスは?

ずばり、「Hulu」です。

【広告】

\ ドラマを観るなら /

今夜のエンタメはHuluで

2024年3月時点の配信情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細は Hulu の公式ホームページにてご確認ください。

「Hulu」のメリットとデメリット

月額1,026円(税込)で「刑事コロンボ」全69作品を視聴できる「Hulu」
他にも以下のようなメリットとデメリットがあります。

【メリット】

  • 【台数制限なし!】 1アカウントでスマホやタブレット、PCで視聴可
  • 【かんたん手続き!】 申込みも解約もかんたん
  • 【オフライン視聴!】 一部の作品のみ、 最大30日間ダウンロード視聴可
  • 【幅広い作品!】 映画ドラマだけでなく、 日本テレビ系人気番組が充実

【デメリット】

  • 視聴できる映画作品数が少ない
  • 視聴デバイスの台数制限はないが、同時視聴不可

「刑事コロンボ」のBlu-ray映像と「Hulu」の配信動画の比較

「刑事コロンボ」Blu-ray
「刑事コロンボ」Blu-ray

今回、「刑事コロンボ」のBlu-rayを購入して、「Hulu」で配信されている動画と見比べてみました。

ちなみに「刑事コロンボ コンプリート ブルーレイBOX」の現在価格は以下のとおり。


結論から言うと、Blu-rayディスクと、Hulu」の配信動画の画質や音質はほとんど一緒でした。
少なくとも僕には見分けがつきません。

それもそのはず、「Hulu」が提供している画質は以下のとおり。

4K UHD・・・対応作品のみ
最高画質・・・フルHD、Blu-rayの画質レベル
高画質・・・HD、地デジの画質レベル
中画質・・・ハーフHD、DVDのの画質レベル
低画質・・・SD、普通に視聴できるレベル

つまり、「Hulu」なら、Blu-rayの画質品質(フルHD 1080p)で「刑事コロンボ」を視聴できるわけですね。

くわえて、「Hulu」には大きなメリットがあります。

それは再生速度が変更できること。

「Hulu」での再生速度は5種類。

「Hulu」の再生速度調整

0.75倍
1.0倍
1.25倍
1.5倍
1.75倍

ためしに1.75倍で再生しましたが、なんとか音声を聞き取れる速度です。
倍速で映画やドラマを見たいというあなたには、「Hulu」の再生速度変更はありがたい機能でしょう。

まめやか

個人的には、「刑事コロンボ」は再生速度を変えずに見ていただきたいです。登場人物たちの「間」とか沈黙も、ひとつの芸術表現だと思うので

「Hulu」をおすすめできる人

  • 刑事コロンボの全69作品(字幕・吹替)を楽しみたい人
  • 定額料金で動画を楽しみたい人
  • 刑事コロンボ以外にも、映画やドラマ、バラエティを楽しみたい人
  • 刑事コロンボや他の映像作品を倍速で見たい人
【広告】

\ ドラマを観るなら /

今夜のエンタメはHuluで

『殺人処方箋』作品情報

監督リチャード・アーヴィング
脚本ウィリアム・リンク/ チャード・レヴィンソン
音楽デイヴ・グルーシン
出演・コロンボ・・・ピーター・フォーク
・レイ・フレミング・・・ジーン・バリー
・ジョーン・・・キャスリーン・ジャスティス
・キャロル・・・ニナ・フォック
・ゴードン検事・・・ウィリアム・ウィンダム
上映時間99分
ジャンルサスペンス/ミステリ/ドラマ

『殺人処方箋』吹き替え版スタッフ情報

演出左近允洋
翻訳額田やえ子
旧録音版翻訳飯島永昭
追加演出伊達康将
追加翻訳岸田恵子
吹替版声優・コロンボ・・・小池朝雄
・レイ・フレミング・・・瑳川哲朗
・ジョーン・・・加茂良子
・キャロル・・・富永美沙子
・ゴードン検事・・・寺島幹夫

『殺人処方箋』のあらすじ

二枚目で頭のキレる精神分析医レイ・フレミングは年上の妻キャロルをうとましく感じていた。
彼は愛人関係にある駆け出しの女優ジョーンに協力させて、周到な計画殺人を実行に移す。

メキシコへのふたり水入らずの旅行にキャロルを誘い出したフレミングは、出発当日、妻キャロルを扼殺する。
物取りの犯行に見せかけるために、貴金属をトランクに詰め込むフレミング。
ジョーンにはキャロルのブルーのドレスと手袋、かつら、サングラスを身に着けさせて、「妻」として変装させる。ふたりは離陸前のメキシコ行きの飛行機の中で、一芝居ぶつ。
妻キャロルの死体が発見されれば、フレミングと口喧嘩してうんざりした「妻」が飛行機から降りて、家に帰ってきたところを物取りに襲われて殺されたという状況が成立する。
・・・これがフレミングが考えた犯罪計画だ。

計画通り、メキシコの海に貴金属を捨てて、旅行から帰ってきたフレミングを待っていたのが、殺人課の刑事コロンボだった。

『殺人処方箋』の解説・見どころ・考察

殺人処方箋台本
NHK刑事コロンボ・シリーズ「殺人処方箋」の台本

もともとは舞台劇だった作品をテレビに移植

厳密に言えば、第1作『殺人処方箋』は1話完結のテレビドラマとして放映されました。
日本のテレビで言えば、火曜サスペンス劇場みたいな番組でしょうか。

もともと、舞台劇である『殺人処方箋』をテレビ用に移植しているため、演劇的な構成です。
結果的に、テレビドラマとしてはキリッと引き締まった完成度の高い作品として結実したのでしょう。

放映後、視聴者には大好評だったようで、その視聴率は29.9%。
従来のミステリドラマとはまるで違う魅力にあふれていた証拠です。

「倒叙」タイプの推理ドラマ

「倒叙」とは、まず犯人が登場し、犯行の一部始終が描かれて、あとから探偵役が登場して、犯人のトリックを見破る形式です。

つまり、倒叙タイプの「刑事コロンボ」は、犯人探しが主眼ではなく、探偵が謎解きをして、犯人をいかに追い詰めていくかに重点が置かれた推理ドラマです。
倒叙タイプの特色は、最初から犯人主体のドラマで盛り上がるため、探偵役とのW主役が成立すること。
ゲストである犯人役の演技が際立つのです。

また倒叙タイプのドラマは、犯人探しタイプのドラマよりも、視聴者の印象に強く残ります。
日本のドラマの倒叙タイプの代表格である『古畑任三郎』。
やはりファンに愛され続けている作品ですよね。
『古畑任三郎』も「刑事コロンボ」から多大な影響を受けているのは論を俟ちません。

そんな倒叙タイプには絶対に外せない条件があります。

個性的な名探偵

名探偵がユニークな個性の持ち主でなければ、倒叙タイプのドラマは面白くならないように思います。
ただ有能でキレるだけでは探偵としては十分ではないのです。
その点、コロンボのキャラクターは斬新な探偵役でした。
またたく間に話題になって、シリーズ化につながったのでしょう。

驚くべきことに、シリーズ化前のこの『殺人処方箋』で、全69作のコロンボのキャラクターは確立されています。

  • レインコートや葉巻という小道具
  • カミさんの話や親戚の話をもちだして犯人を油断させる話法
  • 腰は低いが厚かましい
  • 疑いをもったら執拗につきまとう捜査方法

このキャラクターで70作近く続くとは、よもやピーター・フォークも思っていなかったことでしょう。

デビュー作のコロンボだけに見られる特徴

とはいえ、デビュー作のコロンボは、どこか精悍な印象があります。
後年の枯れた味わいのあるモシャモシャヘアではなく、トレードマークのコートもくたびれていない。
若くて、身なりもきちんとしている印象です。

外見だけではなく、刑事としての捜査スタイルも、少し怜悧な冷たさが感じられます。
いよいよクライマックス近くになると、目つきもするどくなり、共謀したジョーンを追い詰めるやり方は、いささかハードだなあと。
これをやられると、ジョーンじゃなくても参ってしまうでしょう。

後年のとぼけた枯淡の味をにじませる前の、若くてアグレッシブなコロンボも一見の価値があります。

芝居としての面白さと、洗練された翻訳

キレ者の精神科医らしくフレミングのトリックは、「人は固定観念でものを見る」という習性を利用したものでした。
ところが、まさにこの習性によってフレミングは足元をすくわれることになります。
コロンボがフレミングに仕掛ける「罠」は、なんともあざやかです。
フレミングの皮肉な顛末の描き方は、ミステリというよりも格調高い芝居としての面白さを感じさせます。

「刑事コロンボ」は、犯人とコロンボのセリフのやりとりが中心になるため、舞台劇の趣が強いです。
当然、登場人物たちが語る「言葉」に注目することになるのですが、「刑事コロンボ」の翻訳は素晴らしく洗練されていて、そこはかなとない品位が感じられます。
翻訳家・額田やえ子氏の功績はけっして小さいものではありません。

まめやか

「刑事コロンボ」に登場する人物たちのセリフは、端正できれいな日本語なんですよ

『殺人処方箋』のキャストについての感想

刑事コロンボ コンプリート ブルーレイBOX
刑事コロンボ コンプリート ブルーレイBOX

コロンボ(ピーター・フォーク)

撮影当時40歳。
デビューしたばかりのコロンボ刑事にはみずみずしい勢いが感じられます。

だからといって背伸びしたところはまるでありません。
どこまでも自然体のようでいて、正統的な演技のキャリアの蓄積が何気ないしぐさや言葉遣いににじみ出ている。
この人の義眼がつくる表情は陰影豊かで、その刻みの深い魅力は余人には代えがたいものがあります。

とぼけたなかにも、ウィットとエスプリの利いた会話は、何度見ても楽しいです。
カミさん話と親戚ネタは、クスリと笑わせてくれる。
毎回バリエーションに富んでいて、飽きさせないのが心憎い。
クセになりやすいエモーショナルな芸風といえましょう。

コロンボの魅力は、なんといっても「韜晦の美学」だと思います。
ぱっとしない見かけの裏にある、めまぐるしく回転する頭脳と、明晰な推理能力、そして犯人を罠にかける怜悧さ。
卓越した知性をユニークな糖衣にくるんでいるコロンボのスタイルはかっこいいです。
大人の男の風儀だと思います。

レイ・フレミング・・・ジーン・バリー

記念すべき第1作の犯人からして、スマートで手強そうな知能犯です。
抜け目ない精神分析医を演じるこの役者は、アメリカのTVドラマでおなじみの二枚目俳優。
冷酷な犯人ながら、押し出しが強く、男ぶりもよく、まめやかにジェントルです。

コロンボが追い詰めても、最後までたじろがない様子も不自然さは感じられません。
それだけに、もう少しジリジリと追い詰められていくこの人の演技を見たかったですね。

刑事コロンボの声優について

刑事コロンボの日本語吹替えを担当した俳優は、いかのとおり。

●旧シリーズ(45作品):小池朝雄
●新シリーズ(24作品):石田太郎
※WOWOWで放映された3作品には銀河万丈の吹替版もあり

とくに小池朝雄の果たした役割は大きいです。

日本語版コロンボは、小池朝雄を抜きに語れない

「刑事コロンボ」は字幕版・吹替版、双方が存在しますが、個人的には吹替版を愛好しています。
日本における刑事コロンボは、ピーター・フォークというより小池朝雄のイメージが強いからです。
個人的には思い入れが強いため、小池朝雄を抜きにコロンボは語れません。

海外映画やドラマを見るときは、断然字幕派という人は少なくないでしょう。
僕も字幕派です。
やはり俳優の「地」の声、抑揚や、沈黙、すべて含めての表現だと思うから。
吹き替えだと、ベールに一枚隔てられるような印象を持ってしまうのです。
ですから原則、吹替版は見ないようにしています。

とはいえ、数少ない例外はあります。
刑事コロンボがまさにそう。
吹き替えでなければ、小池朝雄でなければ、どういうわけかコロンボが身に沁みないのです。

コロンボ役のピーター・フォークは、すこし高めのしゃがれ声です。
ところが小池朝雄は、抑制された低く響きやすい声を、コロンボのために作りあげている。
その声が見事にハマったのです。

「刑事コロンボ」がアクション中心の刑事ドラマなら、それほど「声」は引き立たなかったでしょう。
犯人とのセリフのやりとり中心の刑事コロンボだからこそ、小池朝雄の声や息遣いは生彩を放ったのではないかと。

ただの声優ではなく、刑事コロンボを再創造した人

日本における刑事コロンボの成功は、名優・小池朝雄の存在に深く与っています。
コロンボ役のピーター・フォークに合わせていったのではありません。
日本に輸入されたコロンボを再創造したところに、小池朝雄の表現者としての卓越があります。

小池朝雄を起用した演習家、左近允洋は慧眼でした。
小池朝雄は、劇作家・翻訳家である福田恆存に師事して、演技の指導を叩き込まれた舞台俳優です。
シェイクスピア劇をこなしただけあって、小池朝雄の言い回しには耳に心地よいリズムとテンポ、ふくよかな詩情にあふれています。

野暮ったさですら知的な香気を漂わせて、視聴者のぐっと心を惹きつける。
その芸を称えたいです。

小池はコロンボの声優を演じるにあたって、舞台で鍛えあげた妙技をふるいました。
といってもピーター・フォークの個性を削ぐことなく、魅力を増幅させています。
結句、コロンボを創りあげた小池朝雄の存在感が、期せずして際立ったのかもしれない。
僕はコロンボの吹替版を見るたびに、小池朝雄の役者としての節度と慎み、そして表現者としての健全な野心を感じます。

2代目の石田太郎や銀河万丈が吹き替えをしたコロンボも懐が深く、あたたかい情味がありますが、やはり「小池コロンボ」の存在感は大きいです。

まめやか

小池朝雄さんはヤクザ映画にも多数出演していて、なかなか凄味のある演技ですよ。なかんずく『仁義なき戦い 広島死闘篇』(1973年東映)の小池さんは強く印象に残っています

まとめ

『殺人処方箋』は、不世出のコロンボ警部の原点がわかる佳品です。
倒叙推理ドラマとしても、洗練されていて切れ味するどく、見ごたえがあります。

今見ても古臭い印象はなく、落ち着いた品位のあるサスペンスにズルズルと引き込まれるでしょう。
もしかしたら、コロンボにハマって一気に69作品を見ずにはいられなくなるかも……。

ぜひ「刑事コロンボ」を視聴してみてください。

【広告】

\ ドラマを観るなら /

今夜のエンタメはHuluで

2024年3月時点の配信情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細は Hulu の公式ホームページにてご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次