ヒューマン映画– category –
-
アキ・カウリスマキ監督作品『浮き雲』感想※悲喜こもごもゆえの美しい人生を祝福する物語
フィンランドの鬼才アキ・カウリスマキ監督が手がけた、職を失った夫婦の再生の物語。極端なほど表情に乏しく、感情を削ぎ落としたような登場人物たちだけど、それでいて生彩に富んだ存在感は忘れがたい。世界中の映画ファンをうならせた佳品『浮き雲』の見どころ、感想、レビュー。 -
『大いなる幻影』感想※この映画には紛れもない「人間」が描かれている
『大いなる幻影』の見どころ、感想、レビュー。戦争のむなしさ、自由への憧れ、拭い難い階級意識、男同士の友情、愛する者との別離……第一次世界大戦下のドイツ軍の捕虜収容所を舞台にヒューマニズムを高らかに謳いあげたジャン・ルノワール監督の畢生の名作。 -
『サンダカン八番娼館 望郷』感想※絹代と小巻のハーモニー
『サンダカン八番娼館 望郷』の感想・レビュー。明治・大正時代、貧しさのために東南アジアに出稼ぎして、春をひさいで生計を立てた女性たちの壮絶な半生を描いたノンフィクションの映画化。サキを演じた田中絹代の存在感は格別。映画史に燦然と輝く名演。 -
『ゴッドファーザー』感想考察※何度見ても興趣が尽きない名作
『ゴッドファーザー』(1972年) 主演:マーロン・ブランド/アル・パチーノ 第45回(1973年)アカデミー作品賞、男優賞、脚本賞受賞。シチリア人マフィア一族の盛衰と家族愛を描いた大河ドラマ。芸術性と娯楽性を見事に融合させて、興行的にも大ヒット。... -
『カッコーの巣の上で』感想※説教臭さなし!人間の尊厳を高らかに謳いあげた映画
『カッコーの巣の上で』の映画感想。第48回アカデミー賞(1976年)「作品賞」「監督賞「主演男優賞」「主演女優賞」「脚本賞」を獲得した、人間の尊厳をうたいあげたヒューマンドラマ。1960年代の精神科病院を舞台に、刑務所から移送されてきた服役囚の主人公が、自由と人間性の解放を声高に叫ぶ。ジャック・ニコルソンの名演技、ラストの衝撃は忘れがたい。 -
『チャンプ』(1979)動画の感想※予定調和に寛大な人なら、手堅く泣ける映画
『チャンプ』(1979)動画の感想。うらぶれた元世界チャンピオンのボクサーの父と、彼を慕う息子との絆を描いた感動の名作。一度はボクシングを諦めたビリーは、息子T・Jのために、ふたたび栄光の座に返り咲くべく、再始動する。別れた妻のフェイ・ダナウェイの洗練された美しさと、子役リッキー・シュローダーの健気さは忘れがたい印象を残す。 -
映画『黄昏』(1981)動画の感想※歳を重ねる妙味、心にしみいるほろ苦さ
映画『黄昏』(1981)動画の感想。老夫婦と娘、そして娘の再婚相手の連れ子とのひと夏の出来事を綴ったヒューマンドラマ。キャサリン・ヘップバーンの演技はどこまでもみずみずしく、ヘンリー・フォンダ、ジェーン・フォンダ父娘の実像を投影した物語は見る者の心を無防備にする。そんな『黄昏』のみどころをご紹介。 -
映画『プラダを着た悪魔』感想※心をそそる可憐さと、心がざわつく高飛車さ
映画『プラダを着た悪魔』動画配信を見ての感想。みどころ。NYにある一流ファッション誌の編集部に働くことになったアンドレアの悪戦苦闘の物語。血も涙もない悪魔のような編集長ミランダのアシスタントとして働きながら、前向きに仕事をこなしていくうちに、アンドレアも洗練されていく。仕事と恋の両立に悩む女性のハートをつかんだ大ヒットムービーの無力をご紹介! -
映画『秋刀魚の味』(1962年)感想※喜びと寂寥が混じりあったふくよかな無常感
『秋刀魚の味』動画を見ての感想、雑感。家族のドラマをつくり続けてきた小津安二郎の最後の作品。初老の父が、身を固めない妙齢の娘に気を揉んで、もたつきながらも縁談を進めていく姿を、さらりとした水彩画のごときタッチで描いたホームドラマ。娘が嫁いだ夜の父の寂寥は、見るもの心を激しく震わせる。何度見ても見飽きることのない『秋刀魚の味』に魅力をご紹介。 -
映画『波止場』動画視聴感想 ※反骨/無反省/一本気
映画『波止場』動画を視聴しての感想。港湾組合の実態を描いたピューリッツァー受賞のルポを映像化したエリア・カザン監督の野心作。波止場に君臨するボス一味と対決するマーロン・ブランドの怒りが爆発するシーンは胸がすくほどパワフルだけど、どこか物哀しい。社会派ドラマであり良質な人間ドラマの傑作をご紹介。
12